看護に従事する人の中には、赤ちゃんのケアや女性たちのサポートをしたい、と産婦人科を目指す人もいるのではないでしょうか。
そんな妊娠、出産や婦人科系の病気を扱う産婦人科の看護師には、どのような心得が必要なのでしょうか?
今回、他の科とは異なる産婦人科特有の心得を述べたいと思います。
まずは、人の話を受容的に聴く能力がとても大切になってきます。
産婦人科では、子宮摘出や乳房の切除などのために心身ともに大きなショックを受けている患者さんもいます。このような時は患者さんの話を聴くことが必要ですが、本当にショックを受けた時、人はなかなか気持ちを話せないものです。
聴こう聴こうと力むよりは、温かく接しながら、患者さんがポツリポツリと自分から話すのを待つような受容的な接し方が大切です。
また、わかりやすく説明できるスキルも必要です。
産婦人科は言い方からの誤解や説明不足から訴訟が多い傾向にあります。そのため、産婦人科の看護師は女性の身体と薬剤に関する知識やリスクをしっかりと整理して、患者さんに説明できなければなりません。
また、不妊治療のため体調にとても神経質な患者さんも多いので、単に「大丈夫」といった言葉だけでなく、きちんと医学的な理由を話すことができたほうが相手に安心してもらうことができます。
出産への対応は、産科医と助産師にしかできず、看護師は間接的な対応となります。しかし、出産には想定外のできごとが多く、産科医と助産師の間に立ち、柔軟に対応する必要があるので、想定外のことでも冷静に対応できる能力が求められます。
さらに、産婦人科は救命と同じくらい大量出血に遭遇しますので、出血に動揺しない気持ちの強さも必要です。
その他にも現場特有の対応があるので、まず最初に産婦人科の仕事内容をくまなく把握しておくようにしましょう。
産婦人科の看護師にはたいへんなことも多いですが、それ以上のやりがいと喜びがたくさんあるのも事実。上記のスキルを持てる自信があるのなら、ぜひ女性たちと赤ちゃんにやさしく寄り添う看護の仕事を検討してみてはいかがでしょう?